読了。

ヴァスラフ

ヴァスラフ

再読。といっても購入時に読んで以来なので10年ぶり。
世界には既にインターネット網が広がっている20世紀初頭の帝政ロシア。帝国ネットワーク管理省の研究所で生まれたヴァーチャルなダンサー「ヴァスラフ」。やがて伝説の存在となっていく「彼」と「彼」を望み破滅していく人々。
「ムジカ・マキーナ」、「カント・アンジェリコ」に共通する世界観をもついわゆるサイバーパンク音楽SFとでもいうのでしょうか。10年ぶりに読んだのでほとんど内容を忘れてました。要は「ニジンスキーがヴァーチャルな存在だったら」というお話、かな。こう表現すると身も蓋もございませんが。今読むとヴァスラフという存在の空気感がたまらん。

そういえば、長く本出てませんね。高野氏。

手放してしまったのを悔いていたら文庫本で復刊!しかもリアル書店の店頭で偶然見つけて、喜び勇んでレジに突撃しました。描き下ろしのカバー絵がCG処理になってて時代を感じた。というか、絵柄も今っぽくなってるのに感心。本文開いたら絵柄のギャップに笑いましたけど(^^;まあそういう時代でしたからって感じですが。
物語的にはそんなに古く感じないのはすごいかもしれん。わたしは、ずっと少女まんがらしい話だと思ってましたけど、作者の書き下ろしトークを読むとそうはとらえられてなかったようで(^^;
別にマニアじゃないですけど、このシリーズといいトリブラといいDグレといいローゼンクロイツに縁があるな私。